クリーンルームとは

クリーンルームとは、空気中に浮遊しているゴミや菌類を取り除いた清浄な部屋のことで、ナノテクノロジーの発展に不可欠な施設です。クリーンルームはJIS(日本工業規格)で以下のように定義されています。

クリーンルームの定義

・コンタミネーションコントロール(清浄度管理)が行われている限られた空間。

・空気中の浮遊微粒子、浮遊微生物が限定レベル以下に管理された空間。

・その空間に補給される材料・薬品・水などについても要求される清浄度が保持されること。

・必要に応じて温度・湿度・圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。

クリーンルームの四原則

クリーンルームの設計・建設・運営にあたっては、以下の4つが大原則となります。

1、チリやホコリ、細菌を室内に持ち込まない

2、チリやホコリ、細菌の発生を抑える

3、チリやホコリ、細菌を速やかに排除する

4、チリやホコリ、細菌を堆積させない

用途による分類

クリーンルームは、その用途によりインダストリアルクリーンルーム(ICR)とバイオロジカルクリーンルーム(BCR)の2つに分類され、各分野で幅広く利用されています。

構造による分類

換気のタイプによる分類

FFU(ファンフィルタユニット)に給気するタイプによりオールフレッシュ方式・循環方式に分類されます。

オールフレッシュ方式

FFUに外気を取り入れ、室内へFFUからのクリーンな空気を送り込みます。排気は外部へ自然排出します。室内で有機溶剤の発生等がある場合は、オールフレッシュ式の設計が必要になりますが、フィルタ交換率は高くなります。

循環方式

室内の空気を循環させFFUに給気する方式です。室内の発塵量が少ない場合はフィルタの交換頻度が下がります。 扉開閉時等の回復性は室内への粉塵の侵入度合で悪くなる場合があります。

気流のタイプによる分類

室内の気流制御の方式により、垂直一方向流(ダウンブロー)方式と乱流方式などに分類されます。

垂直一方向流(ダウンブロー)方式

天井面に均一にFFUを配置し、一方向(上から下へ)の空気の流れを起こし粉塵を下方に送り込む方式です。 室内全域にわたり均一な管理が可能になりますが、コストは高くなります。その他、壁面からの送風を行うクロスブロー方式もあります。

乱流方式

天井・壁面等から送風し室内の乱流によって排気する方法です。粉塵等は室内で希釈されながら最終的に室内の圧力によって排出されます。 一般的な方法です。 詳しくはクリーンルームの構造をご覧下さい。パネル工法でのクリンルームの構造について詳しくご紹介致します。