クリーンルームのクラス(清浄度)

一口にクリーンルームと言っても、クラス(清浄度)により、その性能は違います。太平洋建材では、用途に合わせたクラス(清浄度)を有するクリーンルームの設計・施工が可能です。

クラス(清浄度)とは

クリーンルームのクラス(清浄度)とは、クリーンルームの性能レベルを示す数値のことです。 クラス規格には、ISO14664-1(国際標準規格)・JIS B 9920(日本工業規格)・Fed 209E・Fed 209D(米国連邦規格)があります。 管理するべき塵埃の大きさは0.5μm以上のみが管理の対象とされていましたが、近年のナノテクノロジー技術の向上により0.1μm程度の塵埃も影響を及ぼす事が判明しており、現在の規格となっています。 ※1μm(マイクロメートル)は0.001ミリメートルです。

クラス(清浄度)の表し方

クラス(清浄度)は、一定の体積中における塵埃の大きさとその数で示されます。 こちらでは、最近主流になりつつあるISO 14664-1の規格基準をご紹介致します。 表の数は1m3の空間の中に存在する事を許される許容量(個)を示します。

塵埃径 0.1μm 塵埃径 0.5μm CLASS
10 0 Class1
100 4 Class2
1,000 35 Class3
10,000 352 Class4
100,000 3,520 Class5
1,000,000 35,200 Class6
管理対象外 352,000 Class7
管理対象外 3,520,000 Class8
管理対象外 35,200,000 Class9

数字が小さいほど、クリーンルームとして高い性能レベルを有していることになります。 Fed規格もISO規格同様、表現には良く出てきます。Fed規格でのクラス100はISO規格でのClass5に相当します。 通常、磁気テープ・半導体基板製造等はClass5(Fed クラス100)の環境下で行われています。

一般環境におけるクラス(清浄度)の目安

通常、清浄度を見たり感じたりすることは困難で、また容易に計ることもできません。こちらでは、清浄度の目安として一般的な環境にあてはめてみました。 ※一般環境での汚染の状態は時間や季節などにより変化するので一定の値を限定できせん。以下はあくまでも目安です。

場所 塵埃数 [0.5μm以上(個/ft3)]
雲の上 約1,000    (Class6相当)
海の上 約10,000   (Class7相当)
手術室 約50,000
田園 約100,000   (Class8相当)
郊外住宅地 約400,000
事務所 約1,000,000  (Class9相当)
工場 約3,000,000
満員電車 約5,000,000

クリーン度(清浄度)は換気回数に左右されます。

一般的な換気(外気を取り入れる事)とは少し意味が異なり、クリーンルームでは「HEPAフィルタ」若しくは、「ULPAフィルタ」と呼ばれるフィルターを使って室内にクリーンな空気を送り込む事を言います。 FFU(ファンフィルタユニット)と呼ばれるクリーンルーム用の空気清浄の機械を使用して換気を行う事で、クリーン環境を実現しています。内部の発塵量その他によって換気能力の設計が必要ではありますが、一般的な数値をここではご紹介します。

換気回数/時間 目標Class(ISO基準)
300回/h Class5
80回/h Class6
40回/h Class7
20回/h Class8

乱流方式ではClass5の実現は難しいとされており、このクラスより上のクラスではダウンブロー方式が一般的とされています。

プランニングがコスト低減の決め手です

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